国の中央省庁25府省庁に在籍する博士号取得者が2,274人に上ることが、内閣官房内閣人事局、内閣府科学技術・イノベーション推進事務局、文部科学省高等教育局の共同調査で分かった。約3分の2は入省以前に博士号を取得していた。
内閣府によると、調査は2021年3月にまとめた第6期科学技術・イノベーション基本計画で博士後期課程学生の待遇改善とキャリアパス拡大が掲げられたのを受け、国の中央省庁に在籍する博士号取得者の実態を知る目的で進めた。
その結果、2022年4月1日現在で中央省庁の25府省庁に在籍する博士号取得者は2,274人で、約3分の2が入省前に博士号を取得していた。採用で最も多いのは43.3%の研究職。次いで、27.0%の行政職、20.2%の教育職となっている。
採用府省庁は防衛省がトップの621人、以下、厚生労働省の596人、国土交通省の368人、環境省の126人、文部科学省の117人、農林水産省の113人、警察庁の78人、経済産業省の71人、外務省の69人と続く。
博士号取得者の採用方針を策定しているのは、宮内庁、公正取引委員会、警察庁、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、環境省、国土交通省の8省庁だけで、研究職に多かった。博士号取得者のキャリアパスへの配慮は、内閣府、金融庁、厚生労働省、国土交通省など10府省庁が「ある」と答えている。
内閣府などは2023年度以降も調査を継続するとともに、各府省庁の採用者に対する博士号取得者調査を新たに進めることにしている。