株式会社マイナビは、「大学4年/大学院2年以上で2022年度に就職活動を終えた、もしくは現在活動中」の子供を持つ保護者1,000名を対象に「就職活動に対する保護者の意識調査」を行った。

 就職活動で話題になる言葉を提示し、知っているものを選んでもらったところ、最多の「知っているものはない」を除くと、「お祈り 20.1%」「終活 18.0%」のほか、入社後の配属先が自身の希望通りになるかを不安視する学生の心情を表す「勤務地ガチャ・配属ガチャ 17.9%」が上位になった。また、子供が全国転勤のある会社に就職するとしたら「反対する」と回答した割合は29.6%になり、子供の勤務地が定まらないことに、一定数の保護者は懸念を抱いていることがわかる。

 子供の大学選びで重視したことは、「大学選びは子供に任せていた/特に重視したことはない」を除くと最多の回答は「子供の興味や関心に合うかどうか」で29.0%だったが、「進学にかかる費用すべて」(12.9%/前年比3.2pt増)、「大学の授業料」(9.8%/前年比0.1pt増)といった支出関連の項目が前年比で増加。教育資金についてどのような補助があればよかったか自由回答で聞くと、「授業料の無償化」や「授業料がとても高いのでもっと国の支援があれば助かった」、「家族の収入に左右されない一律の大学授業料の補助」など所得制限のない補助や支援を求める意見もあった。

 教育資金を準備する際、貸与型の奨学金を利用した保護者のうち85.0%が「奨学金の返済は子供の将来に負担になると思う」と回答(「負担になると思う(36.6%)」+「どちらかというと(48.4%)」合計)。教育資金の補助については「返済不要の奨学金」や「給付型奨学金の対象拡充」を求める声や、「返還する負担が、大きいのではないかと将来に不安がある」と奨学金返済を不安に感じる声が挙がった。

 子供の就職活動や日頃のコミュニケーションにおいて「Z世代らしさ」を感じることがあったかを自由回答で聞くと、「キャリアセンターともSNSでやりとりして、無駄なく就職活動していた」や「情報収集がインスタやTikTokであること」のように、スマートフォンやSNSを駆使して情報収集している様子が挙げられた。また就職については「出世ややりがいを1番には考えず、休みがある程度保証される職場を選んだこと」や「長時間労働や休日出勤は古くてダサいと断言している」のように、ワークライフバランス重視の特徴がうかがえるコメントも寄せられた。

 調査を担当した、キャリアリサーチラボの長谷川洋介研究員は、「政府による教育資金について所得制限なしの補助を求める声や、奨学金返済が子供の将来に負担として圧しかかることへの不安の声なども見られました。そうした不安を抱えながらも、子供の自主性や将来への希望を尊重し就職活動をサポートしていると思いますが、それには日頃からコミュニケーションを重ね就職や働き方など将来のことについての対話を重ねていくことが大切だと考えています。」とコメントした。

参考:【株式会社マイナビ】マイナビ「2022年度 就職活動に対する保護者の意識調査」を発表

大学ジャーナルオンライン編集部

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