政府の教育未来創造会議(議長・岸田文雄首相)は、2033年までに日本人の海外留学生を50万人、外国人留学生の受け入れ数を40万人に増やす目標を定めた第2次提言をまとめた。政府は夏ごろをめどに工程表を作る。
内閣官房によると、日本人の海外留学生はコロナ禍前に22.2万人だったが、これを2033年までに50万人まで倍増させる。この数は非英語圏のドイツやフランスと同等の水準になる。
内訳は大学など高等教育段階での学位取得の長期留学生15万人(コロナ禍前6.2万人)、中長期の留学生23万人(11.3万人)、高校段階での研修旅行11万人(4.3万人)、3カ月以上の留学生1万人(0.4万人)。
外国人留学生の受け入れ数はコロナ禍前の31.8万人を40万人に増やす。大学や専門学校、日本語学校への留学生を38万人(コロナ禍前31.2万人)、高校への留学生2万人(0.6万人)が目標。留学生の国内就職率もコロナ禍前の48%を60%に引き上げる。
方策としては授業料相互免除の協定派遣拡充、奨学金の充実、官民協働の留学制度「トビタテ!留学JAPAN」の発展的推進、優秀な外国人留学生の早期獲得に向けたプログラムの構築、国内大学の教育・研究環境の改善などを挙げている。
岸田首相は「わが国の未来を担う若者が留学を通じて成長し、活躍することは、社会を変革するための鍵となる。優秀な日本人学生の海外派遣を大幅に拡大する抜本的な方策を実施したい」と述べた。