首都大学東京は学校名を旧名の「東京都立大学」に戻すための手続きに入ることを決め、小池百合子東京都知事に報告した。学生や大学関係者らから「知名度が低迷している」などと不満の声が上がっていたためで、都議会での議決や文部科学省への届け出などを経て2020年4月に改名する。
首都大学東京によると、学校名の変更に伴い、法人名も公立大学法人首都大学東京から「東京都公立大学法人」に改める。同時に、公立大学法人首都大学東京が設置する産業技術大学院大学は「東京都立産業技術大学院大学」と名称を変更する。
上野淳学長は「技術革新と産業構造の変化、グローバル化で社会構造が大きく変化する中、東京都立大学への名称変更は本学がさらなる発展を遂げる機会となる」、島田晴雄理事長は「都が設立した教育機関として教育研究成果を都政へ還元するなど社会に対する責任が重くなるが、大学のプレゼンスが向上することを期待する」とのコメントを発表した。
小池知事も定例記者会見で「ただ単に名前を戻すのではなく、新しくステップアップするというニュアンスがある」と強調した。
首都大学東京は石原慎太郎知事時代の2005年、東京都立大学など大学、短大計4校を統合して発足した。しかし、学内には新名称に当初から反対する声があったほか、2017年秋の学生アンケートでも半数近くが改善してほしい点として大学名や知名度を上げていた。
このため、小池知事が7月の都庁会議で「東京都立大学への改名も1つの考え方」と発言したのを受け、学内で審議会を開くなどして対応を検討していた。