2022年10月、ロシア軍による空爆によって、ウクライナにある青山学院大学の協定校、タラス・シェフチェンコ記念キーウ国立大学の校舎が甚大な被害を受けた。青山学院では、キーウ国立大学から研究・教育活動を継続するための支援の依頼を受け、2023年4月に寄付を集めた。その集まった寄付を活用してキーウ国立大学に「日本語・日本文学教育研究室」が開設され、2023年5月10日に開設式とこの教室で行う学術発表会議の開会式が催された。

 キーウ国立大学から研究・教育活動を継続するための支援の依頼を受けると、青山学院は、幼稚園、初等部、中等部、高等部、大学、大学院が一体となって、総額1,306,823円の寄付を集めた。キーウ国立大学では、この寄付を活用して、校舎の修理が行われ、人文教育・学術院(旧訳・言語学院)の教室を改修し、「日本語・日本文学教育研究室」を開設した。2023年5月10日(水)ウクライナ時間午前10時(日本時間午後4時)から、開設式とこの教室で行う学術発表会議の開会式が催された。

 開設式・開会式では、Buhrov Volodymrタラス・シェフチェンコ記念キーウ国立大学学長、Hryhoryi Semenyuk 同大学人文教育・学術院院長の挨拶、松田邦紀在ウクライナ日本国大使の祝辞に続き、阪本浩青山学院大学学長の祝辞、入澤崇龍谷大学学長の祝辞がビデオ・メッセージで披露され、その後、KIM Hong Te在ウクライナ韓国大使の祝辞があった。

 阪本学長は、「日本語・日本文学教育研究室」の開設を祝し、また、対ロシア戦で落命され、この教室で行われる学術発表会議にその名が冠されることとなった、極東および東南アジア言語・文学科の日本語専攻学生の故Horbenko Svyatoslave氏、韓国語教師の故Antipove Denys氏へ哀悼の意を表した。そして、戦火の中でも研究・教育活動を絶やさぬキーウ国立大学へ、幼稚園、初等部、中等部、高等部、大学、大学院からなる青山学院が一体となって寄付を行ったことを報告。やがて、平和な春が訪れたときに、「日本語・日本文学教育研究室」で行われる、日本語、中国語、韓国語、インドネシア語、ベトナム語の言語、文学、教育分野の学術発表会議が大きく花開き、「世の光」となることを祈念した。

 「日本語・日本文学教育研究室」には、「2023年、パートナー大学の龍谷と青山学院から寄付された資金によって設置されました」と記す表示板が設置された。

参考:【学校法人青山学院】青山学院からの寄付を活用して完成した、キーウ国立大学「日本語・日本文学教育研究室」開設式を開催

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