東北大学は業務の効率化や高度化を目指し、ユーザーの質問に自然な対話形式でAI(人工知能)が答えるChatGPTを導入した。当面は事務部門から導入し、プレスリリース用の原稿作成やパソコンの管理・運用業務自動化に活用する。
東北大学によると、ChatGPTは米国のAI開発企業「オープンAI」が開発したAI活用のチャットサービス。大量のテキストデータを自然言語処理するアルゴリズムで動き、人間と自然な対話ができるのが特徴。今後の成長が見込める生成系AIとして注目を集めている。
東北大学は事務部門から導入を進め、将来的に教育や研究部門での活用も目指す。当面の具体的な活用方針として広報業務でのプレスリリース、動画作成、イベント業務でのキャッチコピー作成、システム運用業務での職員が使うパソコン管理・運用などを挙げている。
ChatGPTの導入は業務のデジタル化をさらに推進し、効率化と高度化を図るのが狙い。大学院情報科学研究科を中心に進めてきた自然言語処理研究、若手職員による業務のDX推進プロジェクトなどと組み合わせ、デジタル化を加速することができるとしている。導入したサービスには個人情報の誤送信防止、保護機能を実装した。
ChatGPTはセキュリティ面の不安から導入をためらう企業や官公庁もあるが、官公庁では農林水産省がマニュアル改訂業務、神奈川県横須賀市が文章作成、企業では大和証券が資料作成に活用を始めた。大学では立命館大学が生命科学部、薬学部の英語授業の一部に4月から試験導入している。
参考:【東北大学】全国の大学に先駆けてChatGPTを導入 ~AIを駆使しDXの最先端を切り拓く~(PDF)
【立命館大学】大学の英語授業に機械翻訳とChatGPTを組み合わせたサービスを試験導入