日本私立大学連盟は、政府が進める高等教育無償化政策や東京23区の大学定員を抑制する地方大学振興法の是正を求める見解を発表した。私大連会長の鎌田薫早稲田大学総長が東京都内で記者会見して明らかにした。

 私大連によると、見解は高等教育無償化について、意義を認めている。しかし、国立大学と私立大学間の公財政支出、学生納付金格差を是正しないまま実施すれば、低所得者が国立大学に無償で通えるのに対し、私立大学へ入学すれば年間50万円から450万円の授業料負担を強いられることになる。これでは国私間格差をさらに広げることになりかねないと批判、格差の是正を要求した。
支援対象校の選定に実務家教員や外部理事の割合が入ることは、無償化政策と関係がない基準の導入であり、私立大学が持つ自主・自律の理念を脅かすとして是正を求めている。

 地方大学振興法による東京23区の大学定員抑制に対しては、思い切った再編と改革が可能になるよう柔軟な対応に変えるべきだと主張した。第三者機関を設置し、収容定員の増加を伴う学部や学科の新増設を必要性、合理性の観点から判断したうえで認めるなどの特例措置が必要と訴えている。

 地方創生では大学の自由な発想に基づく改革が欠かせないとし、人材育成の必要性を強調した。事業に当たって地方大学が進める小規模事業や都市圏の大学が行う地方創生事業への支援、地方と大学をつなぐ専門人材の確保を政府に求めている。

参考:【日本私立大学連盟】平成30年度第1回記者会見の実施経過について

大学ジャーナルオンライン編集部

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