文部科学省と日本私立学校振興・共済事業団は全国の私立大学を運営する学校法人に対し、2019年度から予定していた入学定員100%を超す私立大学に私学助成を減額するペナルティの実施を当面見送ることを通知した。定員超過に一定の歯止めがかかったためと説明している。

 文科省によると、通知は文科省高等教育局の村田善則私学部長、日本私立学校振興・共済事業団の清家篤理事長の連名。文科省は三大都市圏の大・中規模大学の入学定員超過を抑制するため、2019年度から入学定員100%を超す私立大学に私学助成を減額する一方、95~100%の場合に増額する措置などを実施するとしていた。

 しかし、その前段階として2016年から3年間かけて私学助成金を不交付とする基準を段階的に厳格化したところ、私立大学の入学定員充足率は三大都市圏が2014年度の106.22%から2018年度の103.18%に、その他の地域が95.87%から100.81%になるなど一定の成果が見られた。
三大都市圏にある収容定員4,000人以上の私大の入学定員を超えた入学者数も、2014年度の2万7,479人が2018年度で1万9,648人に減っている。このため、ペナルティの減額措置を当分の間見合わせ、増額措置だけを実施する。

 増額措置の対象になるのは、医歯学部を除き、充足率90~100%の大学で、学部ごとの充足率によって補助金の基準額が増える。内訳は充足率95~100%が4%増、90~94%が2%増。

参考:【文部科学省】平成31年度以降の定員管理に係る私立大学等経常費補助金の取扱について(通知)

大学ジャーナルオンライン編集部

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