九州大学が2005年から進めてきた福岡市西区の伊都キャンパスへの統合移転が完了し、盛大に記念式典を開いた。敷地面積は国内最大級の約272ヘクタールで、法学部、農学部など文系、理系8学部の学生、教員約1万9,000人が集まり、産学連携の共同研究や実証実験を加速させる。
九州大学によると、伊都キャンパスは丘陵地帯を切り開いて整備された東西3キロ、南北2.5キロで、ヤフオクドーム約40個分の敷地を持つ。福岡市東区の箱崎や中央区の六本松にキャンパスが分散し、建物の老朽化や福岡空港の航空機騒音に悩まされていたことから、1991年に箱崎、六本松両キャンパスと福岡県粕屋町の原町農場の統合移転を決めた。
伊都キャンパスの整備工事には2000年に着工。2005年の工学部を皮切りに順次、移転を進めてきた。今後広大な敷地を活用した実証実験や産学共同研究の場としても活用する。
完成記念式典は伊都キャンパスの椎木講堂に九州大学、文部科学省、福岡県の関係者ら約1,000人を集めて開かれ、久保千春総長が「学生と教員が世界の人々と学び合い、競い合うキャンパスで、イノベーションの扉を開き、躍進していこう」とあいさつ。
麻生太郎副総理や宮川典子文部科学大臣政務官が祝辞を述べ、ノーベル賞受賞者の大隅良典東京工業大学栄誉教授が記念講演した。このほか、学生や教員によるトークショー、研究成果の発表会もあった。