鹿児島大学は2024年4月、南九州畜産獣医学拠点が鹿児島県曽於市財部町に開設されるのを受け、曽於市と拠点運営に関する協定を締結した。畜産農家に最新の家畜防疫技術などの学びの場所を提供し、地域の基幹産業である農畜産業のさらなる振興を図る。
鹿児島大学によると、協定の調印式は曽於市役所で開かれ、五位塚剛曽於市長と佐野輝鹿児島大学学長が協定書に調印した。五位塚市長は「先進技術を生かした臨床実習で将来を担う獣医が育成され、鹿児島県の築産業振興に寄与することを期待する」、佐野学長は「拠点は動物福祉に配慮したモデル農場で実践的な獣医学教育を全国発信するわが国初の取り組み。今回の協定で獣医師人材の高度化や地域活性化が進むことを祈念する」とあいさつした。
南九州畜産獣医学拠点は曽於市財部町の財部高校跡に設けられ、国際(欧米)水準の畜産獣医学の実践的学部教育と専門的な学び直しの場所となる。広さは約3万平方メートルで、牛、馬、ニワトリが飼育される。全国の獣医学部学生や学び直しの獣医師が宿泊型の臨床実習を受けるほか、曽於市の畜産農家や新規就農者に対する実習や研修が開かれる。
曽於市は畜産業界の将来を担う人材が育ち、その人材が市を訪れることで交流人口を増やすと同時に、畜産技術者のレベルアップや畜産関係の新産業創出、動物福祉の確立などが進むと期待している。