山梨県立大学は大学院に人間福祉学研究科 人間福祉学専攻 修士課程の開設を文部科学省から認可され、2024年度からスタートさせることを決めた。児童虐待問題に特化した全国初の研究科で、子どものケアや相談業務を担う高度人材を養成する。

 山梨県立大学によると、人間福祉学研究科は虐待や育児放棄を受けた子どもたちへの影響、虐待する親や家族の特徴などを専門的に学ぶ。臨床心理や小児精神、子ども家庭福祉の専門家が特任教授になるほか、人間福祉学部の教員も学生を指導する。

 1学年5人。2024年度の第1期入試は10月10日(火)から17日(火)まで出願を受け付け、10月28日(土)に試験を実施する。山梨県立大学の卒業予定者や短期大学卒の現役保育士らを対象と想定、働きながら学べるように平日の夜間や土曜日を基本に授業する。児童相談所や児童養護施設での実習も予定している。

 大学院を出た学生らは認定こども園や保育園などを拠点に子どもたちとその家族を支援するだけでなく、教育、医療など多方面の機関と連携して包括的な支援を構築することが求められる。

 子どもの虐待防止は重要な課題に浮上しているが、専門的な知識を持つ人材が不足し、十分な対策が取られていないといわれている。全国初の研究科登場で山梨県立大学が先導的な役割を果たすことが期待されている。

 人間福祉学研究科の開設が決まったことを受け、山梨県甲府市飯田の山梨県立大学飯田キャンパスでキックオフイベントが10月1日(日)13時30分から開催される。日本を代表する虐待問題の研究者が講義するほか、研究科の概要説明などが予定されている。

参考:【山梨県立大学】「人間福祉学研究科」令和6年4月開設決定!

山梨県立大学

大学ジャーナルオンライン編集部

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