実践女子大学は、2023年11月9日(木)、ITインフラ企業の株式会社アイエスエフネットの協力を得て、渋谷キャンパスで「ダイバーイン雇用」についての特別授業を行う。アイエスエフネットの渡邊幸義代表取締役が講師として登壇し、LGBTQIA(性的少数者)や外国籍、障がいなど理由とした不当な雇用差別を一切しない同社の取り組みを紹介する。実践女子大学とアイエスエフネットの社会連携授業は初となる。
「ダイバーイン雇用」とは、ダイバーシティ(多様性)とインクルージョン(受容性)を掛け合わせたアイエスエフネット社による造語。アイエスエフネットでは、LGBTQIA(性的少数者)など、ややもするとこれまで企業が雇用に消極的だった人々も、多様な雇用により「働く喜び」や「生きがい」を感じてもらうことを目指して、積極的に受け入れている。アイエスエフネットのダイバーイン雇用では、就職希望者がLGBTQIA等を自己申告しても、採否の判断材料としていない。
アイエスエフネットでは、ダイバーイン雇用に2000年の創業当初から取り組んでおり、アイエスエフネットに加えて、障がい者の就職準備をサポートする株式会社アイエスエフネットジョイと就労移行支援事業所である一般社団法人アイエスエフネットベネフィットのグループ3社を合わせて、障がいのある方の採用は74人(雇用率約3%)にのぼる。また、アイエスエフネットグループでは、障がいのある方を「未来の夢を実現するメンバー」という意味を込め「FDメンバー(Future Dream Member)」と呼称している。
今回の特別授業は、人間社会学部人間社会学科の山根純佳教授が担当する後期科目「福祉社会学」の全14週のうち1週分を使って行う。人間社会学部の2年生が対象で、現在履修している学生は15人。授業では講師を務めるアイエスエフネットの渡邉代表取締役がダイバーイン雇用を始めたきっかけや苦労、成果を振り返りながら、社会モデルや障害者の合理的配慮、雇用の課題、目指す将来像などについて学ぶ。
山根教授は「福祉社会学は、社会学の領域で福祉に関わる人々の規範や生活を研究する学問分野。授業では、障害やケアを必要としている人が経験する不利益について、個人の障害や疾患の問題ではなく(個人モデル)、健常者を前提に作られた社会の側の仕組み(社会モデル)の問題として把握することで、社会保障政策や地域社会の課題を考えることが狙い」と語る。実際に多様な条件にある人の雇用を実現してきた渡邉氏の授業は、理論を実践につなげるための具体的な取り組みや課題を学ぶ貴重な機会として期待を寄せている。
参考:【株式会社アイエスエフネット】アイエスエフネット代表取締役 渡邉が、実践女子大で特別授業「ダイバーイン雇用」の取り組みを紹介 11月9日(木)に渋谷キャンパスで