18歳の74.5%が高齢者になったとき、公的年金制度が維持できないと考えていることが、日本財団が実施した全国調査で分かった。公的年金制度の改革が必要とする声は60.5%に上ったが、66.6%は若者の声が国会での議論に反映されていないと感じている。
調査は全国の17~19歳の男女1,000人を対象に10月、インターネットを通じて行った。それによると、65歳の高齢者になったときの経済状態について「不安がない」と答えたのは10.4%しかおらず、63.4%が「不安がある」と回答した。不安の理由で最も多かったのは、公的年金制度の先行きだった。
公的年金制度が問題なく存続していると考えているのは、わずか8.6%。74.5%は維持が困難・維持できず破綻と答えた。67.3%は受け取る年金額は支払額より少ないと予測しており、公的年金制度に対する強い不安がうかがえた。
高齢者になって頼りたい資金源で最も多かったのは、自身の預貯金の34.2%で、公的年金の28.5%を上回った。医療費の窓口負担は56.0%が今後増え続けると予測している。
年金保険料の世代間格差については、34.9%が「容認できない」と答えた。現役世代の重い負担で増え続ける高齢者を支えていることに対し、若者の間で強い不満があることを示している。若者が政治参加することで社会保障制度に影響を与えるかどうかについては、49.9%が「可能性がない」と答え、無力感をうかがわせた。