コロナ禍によりデジタル化が一層加速する中、日本財団は、全国の17~19歳男女1000名に「デジタル化」をテーマとした18歳意識調査を2020年11月13~17日に実施した。

 調査によると、日本のデジタル化に対する評価は「遅れている38.1%」、「遅れていない31.2%」と意見が割れた。デジタル化が遅れていると思う理由の多くは、「教育現場でのデジタル化の遅れ」と回答。主に、コロナ禍による休校の際にオンライン授業の対応ができていなかった点が指摘され、「コロナ禍で教育現場はオンラインに対応せざるを得なくなったが、それが十分にできなかったから」「非常事態宣言の時、公立校はオンライン授業に対応出来なかった」など、オンライン授業導入の遅れや学校ごとの対応の差が挙がった。

 デジタル化を進めてほしいものは、「オンライン授業35.9%」、「給付金の入金など迅速な支援24.8%」と続いた。国をあげたデジタル化は6割以上が「必要」と答え、「不要」は5.8%に留まった。必要とする理由では「国力の維持・向上52.8%」、「行政サービスの迅速化・簡素化52.4%」が5割を超えた。行政手続きのデジタル化が遅れている理由としては、「書面や対面主義など根強い慣習34.1%」、「苦手意識31.8%」を指摘した。

 2021年秋に創設されるデジタル庁については、「期待する」が「期待しない」の約2倍の39.1%に達した。期待する理由として、「デジタル化が専門的な視点から進むと思う」「専門家達があつまるなら進むと思う」といった専門性への期待。また、「そのような省庁が作られたからには、デジタル化が進むのが道理だと思うから」「少なくとも行政側でも改革していこうという意識はある、と考えられるから」「新たに省庁が設けられることが、改革のきっかけとなることを期待するから」など、省庁が創設されることへの評価も多く見られ、国が推進していくことに期待を寄せている。

 一方、期待できない理由として、「デジタル化する割には役員が高齢である印象。若くてデジタル化に強い人材を入れるべき」など年齢への指摘、「デジタル庁の人材がデジタルなモノをしっかり使いこなせるのかが不明」「パソコンに慣れてなさそうな人たちが話し合っても意味ないから」などデジタルに精通していない議員や人材が関わっても期待できないという意見が多く見られた。

 デジタル化を進めるために必要なことは、「学校教育におけるICT教育の推進」「国が率先してデジタル化を進める」が25.6%と同率でトップ。自身にデジタル化に必要な知識が身についているかは、「身についている23.5%」「身についていない51.2%」と、デジタル化に必要な知識が身についていると回答したのは5人に1人弱だった。

参考:日本財団

大学ジャーナルオンライン編集部

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