機能性食品の一部広告に臨床試験の結果と異なり、消費者に優良と誤認させる内容が多く含まれていることが、国保旭中央病院、岡山大学、和歌山県立医科大学、国立精神神経医療センター、京都大学などの研究グループが実施した調査で分かった。
京都大学によると、研究グループは国内の医薬品開発業務受託機関大手5社によって登録された臨床試験726件のうち、100件を無作為に抽出、試験結果が機能性食品販売にプレスリリースや商品広告にどのように反映されているかを調べた。
その結果、100件の臨床試験結果のうち、76件が食品に関係した内容で、32件が論文として発表されていた。これに関するプレスリリースは3件、商品広告は8件見つかったが、論文32件のうち26件、プレスリリースと広告併せて11件のうち8件に結果と結論や結果と解釈の不一致があった。
日本では健康を保つ機能を持つ食品を国が認定する特定保健性食品制度があるほか、2015年に国の認定を受けなくても申請だけで食品の機能性を表示できる機能性表示食品制度がスタートした。
研究グループは優良な商品と消費者に誤認させる要素が多くあるにもかかわらず、それがそのままメディアや消費者に伝わっていることが大きな問題だと指摘し、消費者庁が規制を見直す必要があると提言している。