世界的な高等教育評価機関のクアクアレリ・シモンズ(QS)がまとめた2025年版QSベスト学生都市ランキングで、東京が前年版に続いて世界2位に入った。魅力度指数や雇用主の活動指標で1位を獲得するなど高い評価を受けている。
QSによると、QSベスト学生都市ランキングは学生から見た街の魅力度や若者の雇用状況、街の安全性、人口に占める学生や留学生の割合、大学の授業料などを指標化し、人口25万人以上でQS世界大学ランキングに2校以上が入る世界の都市を順位付けしている。
東京は、大気汚染、治安レベル、トリップアドバイザーの評価や政情に至るまでの幅広いデータセットと併せて、QSが実施した入学希望者への調査に対する回答を反映したQSの「魅力度」 指標でランクを9つ上昇させて世界トップとなった。東京の「魅力度」の指標が特別に上昇した理由の一つは観光地・旅行先として定評があり、世界最高の旅行先トレンドとして東京が Trip AdvisorのTraveller’s Choiceアワードを受賞した点が挙げられる。
また、東京は世界最高のキャリアアップおよび就業体験の機会を提供する都市として「雇用主の活動」指標でも第1位となっている。これは、東京が卒業生に雇用や就職の可能性を提供する、世界有数のビジネスおよび産業の中心地の一つであることを示している。ただ、授業料、生活費、一般的な物価といった留学生の経済的な負担では評価が低く、課題を残した格好。
ランキングの1位は英国のロンドン。3位は韓国のソウル、4位はドイツのミュンヘン、5位はオーストラリアのメルボルン、6位はオーストラリアのシドニー、7位はフランスのパリ、8位は同率でスイスのチューリッヒとドイツのベルリン、10位はカナダのモントリオールが入った。
日本の都市では大阪が前年の14位から2つランクを上げて12位、名古屋が113位から5つランクアップして108位となっている。
QSのBen Sowter上級副社長はこの結果について「東京が世界で最も魅力的な留学先の一つであるという事実が改めて明確となった。文化や食生活から歴史およびポップカルチャーまであらゆる側面に対して、実際に東京を訪れた人々から好意的なレビューが多数寄せられている。同時に、世界有数のビジネスおよび産業中心地の特徴として見られる雇用ならびに就業体験の機会も提供している」とコメント。また、コロナ後の2023年の国内留学生数は21%の回復を見せていることも評価した。