文科省は、2024年7月5日、2025年度からの国立大学の収容定員の増加に係る設置計画一覧を発表。「大学・高専機能強化支援事業(高度情報専門人材の確保に向けた機能強化に係る支援)」により、岐阜大学と名古屋大学の情報系学部学科の入学定員が、あわせて54名増える計画であることがわかった。

 2024年4月8日に、「大学・高専機能強化支援事業(高度情報専門人材の確保に向けた機能強化に係る支援)」による国立大学の収容定員の増加に係る設置計画一覧を発表しており、情報系学部学科の入学定員が286名増する計画であった。今回の追加により、2025年度入試は、340名が増える計画となる。
※7月5日時点では、三重大学、奈良女子大学、岐阜大学、名古屋大学は、計画中。

 2025年度入試における情報系学部学科入学定員の大学別増加数では、大阪大学60名、神戸大学43名、福島大学40名、広島大学40名、名古屋大学34名、三重大学30名などとなっている。2024年度入試でも国立大学情報系学部学科で365名の入学定員が増加しており、2年間で705名となる。公私立大学でも情報系の新設学部学科は多く、入学定員は爆発的に増えている。

 DXハイスクール1010高校が採択され、採択された高校では、大学理系学部進学率を現状の19.5%から、2028年度には28.9%にする目標となっている。1高校あたり210人と仮定すると、2028年度までに約2万人の理系進学者が増えることになる。情報系は、その中心となる学部学科となり、今後も入学定員は増えていきそうだ。

 大学・高専機能強化支援 支援2(高度情報専門人材の確保に向けた機能強化に係る支援)による定員増は以下のとおり。

<2025年4月 国立大学情報系学部学科の定員増>計340名
福島大学 理工学群 共生システム理工学類 160→200
茨城大学 工学部 情報工学科 90→100
筑波大学 理工学群 工学システム学類 130→138
筑波大学 情報学群 情報科学類 80→86
筑波大学 情報学群 情報メディア創成学類 50→54
横浜国立大学 理工学部 数物・電子情報系学科 287→310
新潟大学 工学部 工学科 530→535
新潟大学 創生学部 創生学修課程 65→70
(追加)岐阜大学 工学部 電気電子・情報工学科 174→194
(追加)名古屋大学 情報学部 自然情報学科 38→44
(追加)名古屋大学 情報学部 コンピュータ科学科 59→67
(追加)名古屋大学 工学部 電気電子情報工学科 118→128
(追加)名古屋大学 工学部 機械・航空宇宙工学科 150→160
三重大学 工学部 総合工学科 400→430
大阪大学 工学部 応用自然科学科 217→222
大阪大学 工学部 電子情報工学科 162→190
大阪大学 基礎工学部 電子物理科学科 99→103
大阪大学 基礎工学部 システム科学科 169→174
大阪大学 基礎工学部 情報科学科 83→101
神戸大学 システム情報学部 システム情報学科 0→150
※2025年4月新設。工学部 情報知能工学科107名募集停止
奈良女子大学 生活環境学部 文化情報学科 45→57
広島大学 工学部 第二類(電気電子・システム情報系) 90→100
広島大学 情報科学部 情報科学科 150→180

<2024年4月 国立大学情報系学部学科の定員増>計365名
北海道大学 工学部 情報エレクトロニクス学科 180→230
東北大学 工学部 機械知能・航空工学科 234→247
東北大学 工学部 電気情報物理工学科 243→263
東北大学 工学部 建築・社会環境工学科 107→114
東京工業大学 情報理工学院 92→132
電気通信大学 情報理工学域 Ⅰ類(情報系) 225→255
金沢大学 融合学域 スマート創生科学類 20→55
金沢大学 理工学域 電子情報通信学類 76→116
岡山大学 工学部 工学科 610→640
愛媛大学 工学部 工学科 500→530
佐賀大学 理工学部 理工学科 480→510
大分大学 理工学部 理工学科 355→395

参考:【文部科学省】令和7年度からの国立大学の収容定員の増加に係る設置計画一覧(PDF)

大学ジャーナルオンライン編集部

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