2024年7月29日、実践女子学園は、英ケンブリッジ大学のヒューズホールカレッジと基本合意書を締結した。明治政府が近代化の歩みを進めていた今から約130年前、創立者・下田歌子が欧米の女子教育視察で同カレッジの前身に当たる学校を訪問したことがきっかけで、学園創立125周年の節目に歴史的な締結が行われた。

 調印式には木島葉子理事長がヒューズホールカレッジを訪れ、基本合意書を交した。木島理事長のほか、大学の難波雅紀学長、中学校高等学校の湯浅茂雄校長が出席。日英の高校生100人が参加するロンドン大学UCL(University College London)とケンブリッジ大学のサマースクールプログラムへの参加や大学の学生・教職員の交流を検討していくこととなった。また、今後の取り組みについてヒューズホールカレッジフェローのピーター・ダドリー氏と議論を交わした。

 調印式では、ヒューズホールカレッジのローリー・ブリストウ学長から実践女子学園とヒューズホールカレッジの歴史的なつながりが紹介された。これに対し、難波学長は「下田歌子先生とのつながりが、今日の基本合意書締結の礎になっています」と述べた。実践女子学園の卒業生でもある木島理事長は「女子教育の草分けの下田歌子が約130年前に視察した同じ場所に理事長の立場で出席したことは大変光栄。本学は、創立者の意思を引き継ぎ、現在まで女子教育を担ってきましたが、今後も今の時代に合ったグローバルで活躍できる女性の教育機関としてさらなる発展を遂げたいと考えています」と話した。

 下田歌子は、1893年から1895年までの約2年間、天皇家から要請を受けて欧米を視察しており、1895年の春、ヒューズホールカレッジの前身に当たる女子教員養成校のケンブリッジ・トレーニング・カレッジを訪問。帰国後、下田歌子は帝国婦人協会を設立し、会の事業として1899年設立した実践女学校と女子工芸学校が後の実践女子学園となる。

 以来、実践女子学園は、下田歌子の志を受け継ぎ、社会連携とグローバルを柱に女子教育を進め、これまで17万人が卒業、各分野で活躍する人材を輩出してきた。木島理事長もその一人で、学生時代は、社会で通用する実践的な教育を学び、卒業後は、現在のアフラック生命に入社し、同社取締役専務を経て、2024年4月、卒業生としては79年ぶりとなる実践女子学園の理事長に就任した。

参考:【実践女子学園】実践女子学園が、英ケンブリッジ大と基本合意書締結 女子教育の先駆者、下田歌子の縁で130年ぶりに。創立者の想い胸に、卒業生の木島理事長が調印

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