創刊50年以上、日本で最も歴史のあるアルバイト求人情報サービス「an」は、これまで掲載された多くの求人情報から、“平成時代”のアルバイト市場を振り返った。
「an」の調査によると、バブル期(1986年~1991年:昭和61年~平成2年)は、学費や生活費を稼ぐために働けるなら内容は問わないという学生が主だった昭和の高度経済成長期と比べ、バブルを迎えた平成初期(1990年代前半頃)から「車やバイクを購入したい」といった、購買意欲をモチベーションにアルバイトをする学生が増加。交通費・交際費を得るためや、ブランド物など「良いモノ」を持っているという一種のステータスを得ることが就労動機となっていた。
また、この頃から「かっこいい」職種への憧れでアルバイトを選ぶ若者が急増。特に当時流行していたカラオケやボーリング場でのアルバイト人気が高まった。映画をきっかけとしたスキーブームの到来で、スキー場やペンションでの住み込みバイトなど、リゾートバイトも人気となった。
近年(2002年~現在:平成14年~現在)は、2000年前後からインターネットの全盛期を迎え、求人サイトが激増。ハローワークのインターネットサービスも開始された。その後スマートフォンの普及により、アプリやSNSを活用した採用手法が台頭。パートの有効求人倍率は2018年9月時点で1.84倍と年々増加し、人手不足が深刻化しており、学生・主婦・シニア・外国人など、あらゆる層でアルバイトニーズが高まっている。価値観の多様化により個人のニーズに合わせた求人が増加。時短勤務や、業務縦割り、まかない支給など融通が利き、待遇の良い求人へ応募が増加。アルバイトを通じて“スキルアップ”を図ろうとする学生も増えており、就職活動の早期化に伴い将来自分が就職した時のことを見据え、アルバイト先を選ぶ傾向にある。「an」が2017年に調査した「学生人気アルバイトランキング」によると1位は3年連続で「スターバックス コーヒー」がランクイン。その他、おしゃれでSNS映えするカフェ・スイーツ系の求人も若者を中心に人気となっている。
参考:【パーソルキャリア株式会社】日本初のアルバイト情報誌を創刊した「an」がアルバイト市場から読み解く平成トレンドを発表!