文部科学省科学技術・学術政策研究所が2023年度の日本の科学技術指標をまとめたところ、大学の研究開発費や公的機関の研究者数で世界ランキングを落としていることが分かった。博士課程進学者数は久々に増加に転じたものの、主要指標でランクを上げた項目はない。
文部科学省科学技術・学術政策研究所によると、日本の大学院博士課程進学者数は2003年度をピークに減少が続いていたが、前年度を4.4%上回った。女性比率の増加も続いているが、企業の研究者に占める博士号取得者の割合は米国より低く、大学教員の高齢化も進行している。
研究開発費は19.1兆円で、前年度に続いて米国、中国に次ぐ世界第3位を維持した。しかし、大学の研究開発費は2.2兆円にとどまり、前年度の4位から5位に後退している。研究者数は70.6万人。前年度と同様に中国、米国に次ぐ世界3位だが、公的機関の研究者数3万人で、前年度の4位から5位に下がった。
論文数は5位、トップ10%補正論文数は13位、トップ1%補正論文数は12位、ハイテクノロジー産業貿易収支比は6位、特許数、ミディアムテクノロジー産業貿易収支比はそれぞれ1位で前年度と変わらなかった。