文部科学省科学技術・学術政策研究所(NISTEP)は、2006年5月、日本を含む主要国の数学研究を取り巻く状況と数学の必要性についての「忘れられた科学-数学」報告書(注)を発表。このときの反響は大きく、数学施策の振興に寄与するものとなった。この報告書を踏まえ、日本の数学の現況の客観的な把握を行い数学の振興施策の基本情報とするため、論文データベース等を用いて分析が行われ、2020年3月25日に発表した。

 数学研究成果の状況について主に論文数の観点から分析した。数学研究論文数シェアでは、トップから中国、米国、インドの順となり、近年、中国、インドが急成長している。日本はロシアに次ぐ世界第9位で、世界の数学研究論文数の約3~4%のシェアを占める。ここ数年、米国やドイツでは数学研究予算の増加が示唆されており、数学研究の重要性に対する理解が増してきている。

 また、数学論文数の国別順位を見ると日本、ドイツやフランスでは多少の論文数のシェア低下が見られる。各学際分野の論文数の推移を見ると、日本は諸科学と数学との学際分野の論文数は増えているが、世界は日本よりもさらに論文数が伸びている。ただし、医学や芸術及び人文学との学際分野の論文数は、世界の伸びより日本の伸びが大きい。

 追加の論文分析として、学際分野論文に含まれる頻出上位のキーワードに関して、世界的傾向と日本の傾向を比較した。これから、日本の数学との学際分野に関しては、特に工学系等で半導体やロボット関連のものが相対的に多い。

 最後に、学生数や卒業者数といった人的資本の面では、特に近年は大きな変化は見られないが、特に日本の場合、女性の人的資本が他分野と比較して伸び悩んでいると思われる。

注:「忘れられた科学 – 数学 ~主要国の数学研究を取り巻く状況及び我が国の科学における数学の必要性~[POLICY STUDY №12]」

参考:【文部科学省科学技術・学術政策研究所】数学研究に関する国際比較-「忘れられた科学」から-[調査資料-287]の公表について

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大学ジャーナルオンライン編集部

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