香川大学が瀬戸内エリアの地域型研究拠点として香川県高松市庵治町に整備していた「芸術未来研究場せとうち」が完成、開所式があった。東京藝術大学と連携してアートと科学を融合、海の環境問題や地域課題の解決を目指す。
香川大学によると、開所式には香川大学の上田夏生学長、文部科学省の井上諭一科学技術・学術政策局長、香川県の池田豊人知事、東京藝術大学の日比野克彦学長ら関係者約80人が出席。上田学長が関係者への感謝の気持ちとさまざまな課題解決に取り組む決意を語ったあと、東京藝術大学の日比野学長、香川大学の秋光和也副学長、筧善行イノベーションデザイン研究所長によるトークセッションが催された。
施設は目の前に瀬戸内海が広がる場所に建設された鉄骨3階建て。ギャラリーやスタジオ、アトリエを備え、アートと科学を融合して生物多様性や海ごみ問題の研究を進めるほか、研究成果をイノベーション創出のモデルとして全国や世界に発信、人々に行動変容を呼び掛ける。人材育成の場所としても活用する。
施設は文科省から「地域中核・特色ある研究大学の連携による産学官連携・共同研究施設整備事業」の支援を受けて整備された。瀬戸内海を対象に海ごみのマイクロプラスティック問題などさまざまな研究を進めてきた香川大学と日本を代表する芸術拠点の東京藝術大学が心の豊かさを根幹としたイノベーション創出に力を合わせる。