鹿児島大学病院は鹿児島県薩摩川内市の川内原子力発電所が大規模地震で被災し、負傷者が発生したとの想定で対応訓練をした。教職員約40人が参加し、ヘリコプターでの搬送から被ばく治療までを本番さながらに実施した。
鹿児島大学病院によると、訓練は大規模地震の発生で川内原発2号機の燃料取扱建屋内をパトロール中の所員2人が負傷し、うち1人が済生会川内病院、もう1人が鹿児島大学病院へ県の防災ヘリコプターで搬送されたとの想定。訓練では到着した防災ヘリコプターから負傷者を搬送し、負傷者の被ばく部分の除染、治療を教職員らがテキパキと行った。
川内原発は2015年に1、2号機が運転を再開したが、海洋プレート内地震の影響を心配する声が地震学者らから上がっているほか、過去に巨大噴火で南九州に甚大な被害を与えた火山跡の小林カルデラなどが50~100キロ圏内に存在している。
鹿児島大学病院は県から2017年、原子力災害拠点病院の指定を受けたことから、2017年度から原発の被災を想定した訓練をしている。今回の訓練では、長崎大学高度被ばく医療支援センターの専門家の協力を受けるなど関係機関との連絡体制、負傷者搬送経路の確認も行うことができた。