麻布大学獣医学部の福山朋季准教授と株式会社ユーグレナは、共同研究により、ヤエヤマクロレラの摂取が、デオキシニバレノール(かび毒)により増悪する皮膚アレルギー症状を軽減することを示す研究結果を確認した。
食品のマイコトキシン(かび毒)汚染は、人間や家畜に健康被害を及ぼすことが報告されている。マイコトキシンの一種であるデオキシニバレノールの免疫抑制作用や消化器系のダメージによる腸管バリア低下によって、炎症やアレルギーを引き起こす可能性がある。また、すでにアレルギーのある人がデオキシニバレノールにさらされると、そのアレルギー症状が悪化する可能性も指摘されている。
これまでの研究で、ヤエヤマクロレラ(石垣島採取のクロレラ株)の摂取が、マイコトキシンの直接的な吸着によって、マイコトキシンの吸収を阻害し、排出を促進することを報告している。今回、ヤエヤマクロレラの摂取が、デオキシニバレノールにより増悪する皮膚アレルギー症状を軽減するかどうか、アレルギー性皮膚炎モデルマウスを用いて検証した。
その結果、無投与群と比較して、デオキシニバレノール投与群では、耳介皮膚厚や痒み行動、組織学的評価による皮膚の過形成や炎症の度合いが有意に増加し、アレルギー性皮膚炎を発症していた。しかし、デオキシニバレノール+ヤエヤマクロレラ投与群では耳介皮膚厚や痒み行動の回数、組織学的評価による皮膚の過形成や炎症の有意な減少が見られ、アレルギー性皮膚炎症状の軽減が確認できた。
以上の結果から、ヤエヤマクロレラがデオキシニバレノールに吸着することで体内吸収を抑制し、アレルギー性皮膚炎の増悪を抑制させる可能性が示唆された。
参考:【麻布大学】ヤエヤマクロレラの摂取が、マイコトキシンの一種である デオキシニバレノールにより増悪する皮膚アレルギー症状を軽減する可能性を示す研究結果を確認