先端科学技術に関する教育・研究機関が集まる「北九州学術研究都市」にある、九州工業大学大学院「生命体工学研究科」は、2050年に活躍する高度技術者の養成を目指して2026年4月に改組を計画している。2024年11月7日、改組の概要を発表した。
九州工業大学によると、2026年4月からは、博士前期課程において、生体機能応用工学専攻と人間知能システム工学専攻の2専攻を「生命体工学専攻 博士前期課程」として入学定員122名を受け入れ「脳型知能・ロボットコース」「AIライフデザインコース」「生体医工イノベーションコース」「環境共生・エネルギーコース」の1専攻4コース体制にする(設置構想中のため変更となる場合がある)。
1専攻とすることで分野融合教育を強化し、全ての分野において、数理・データサイエンス・AIを活用できる人材を育成する。またコースを跨いだ科目履修を可能とすることにより、多様で柔軟な教育プログラムを実現する。
「生命体工学研究科」は2000年、福岡県北九州市若松区西部の「北九州学術研究都市」に設立され、九州工業大学 若松キャンパスとなった。「北九州学術研究都市」は、早稲田大学大学院情報生産システム研究科、北九州市立大学国際環境工学部・大学院国際環境工学研究科などが隣り合い、産官学が一体となってアジアの中核的学術拠点を目指している。
また、同研究科は、教員の専門分野が多岐にわたり、一つの建物内に集積していることで、分野横断型の研究を行いやすい環境が整っている。これまで環境・エネルギー、ロボット・人口知能、医療応用など広範な分野において社会的ニーズの高い先端技術を創出することに成功している。学生の多様性も大きな特徴で、2024年度の入学案内によると、九州工業大学の学部生だけでなく、高専出身者や他大学からの入学者が多く、海外諸国からの留学生も数多く在籍している(2023年4月博士課程前期入学者)。
なお、同じく2026年4月に改組を計画している工学部(戸畑キャンパス)は5類6学科を5類1学科10コースへ、情報工学部(飯塚キャンパス)は3類5学科を4類1学科9コースに再編し、両学部共通の副プログラム(グローバル&ローカル・スタディーズ、アントレプレナーシップ&マネージメント等)を導入する計画。