明治大学情報コミュニケーション学部の石川幹人教授らの研究グループが、信州大学とともに「疑似科学」に対するオンライン上の情報拠点サイト「Gijika.com(ギジカ.コム)」を開発した。情報の海から生活者を救出するボートの役割を果たすものという。
「疑似科学」とは、科学を装いながら、実は科学的根拠が薄弱な主張・商品などの総称。「カラダによい!」とされる健康食品の効果は本当なのか。それは科学らしく見せているだけかもしれない。実際、生活者の健康や老いへの不安につけこみ、うたわれている効果に対して科学的検証が不十分なまま高額商品を販売する問題商法が横行している。
本サイトではマイナスイオンや水素水、EM菌、グルコサミン、イチョウ葉エキスなど、社会的に話題を集めている37項目についての科学性の評価・解説を行っている。評価は、科学哲学・科学社会学の知見から科学性を推し量る10条件に基づいている。
また、誰でも利用可能なオンライン掲示板を新設(TwitterなどのSNSアカウントと連携したログイン利用も可能)。掲示板では身近な疑似科学に関する相談から情報提供、広く科学と社会の在り方についてまで自由な討論が可能。良好なコミュニケーションのための、さまざまな工夫を凝らしている。
さらに、科学リテラシーの向上を目的としたeラーニング教材を新たに提供。これにより、疑似科学に対する自己防衛や科学・社会の問題に対する意識向上につながるという。
本サイトにより、疑似科学に対して生活者が主体的に情報収集し意思決定できる環境構築、さらに「そもそも科学とは何か?」といった問いを社会全体で共有していく拠点づくりを目指すとしている。