学校法人慶應義塾と森ビルは都心で働く人の心身の健康などを長期間調査し、データベースの構築を始めた。働く人の健康課題が産業構造の変化や価値観の多様化、ライフスタイルの変化などで複雑化・多様化しているのに対応した調査で、新たなヘルスケア産業の創出や健康づくりに関する提言をする。

 慶應義塾大学によると、データベース化は2021年に開設された慶應義塾大学医学部ヒルズ未来予防医療・ウェルネス共同研究講座の一環。慶應義塾大学が研究全体の指揮・マネジメントを受け持ち、森ビルと医療法人社団なかよし会がデータ収集や解析などで協力する。

 東京都港区の麻布台ヒルズなど都心で働くオフィスワーカーを対象に、心理的・身体的な健康情報や生活習慣、働き方などの情報を年1回、ウェブアンケートや健康診断データなどから長期間にわたって収集し、データベース化する。

 既に麻布台ヒルズの入居企業など24社の協力で調査をスタートさせており、2025年度以降は調査規模を拡大して都心で働く約1万人に対象者を拡大することを目指す。さらに、研究活動を通じて麻布台ヒルズを健康づくりモデル地区と位置づけ、テナント企業の健康経営促進や産学連携による新たなヘルスケアサービスの創出に調査データを役立てる。

参考:【慶應義塾大学】すべての人々が健康で生き生きと暮らせる社会の実現に向けて「働く人の心身の健康やウェルビーイングに資するデータベース構築」を開始(PDF)

慶應義塾大学

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