成蹊大学文学部日本文学科の平野多恵教授と天祖神社(東京都板橋区)は、同神社のオリジナル和歌みくじを共同制作しており、今回、新たな神様の歌占が加わることになった。
「歌占」とは神様のお告げを和歌で示す吉凶がないおみくじで、古くから日本では神様は和歌でお告げを示すと考えられてきた。古くは巫女などの巫者が和歌を解釈していたが、時代が経過していく中で、あらかじめ和歌を解釈した上で吉凶が記された現在のようなおみくじが一般化していった。
「天祖神社歌占」は、天祖神社の神々とご縁を結べる同神社オリジナルの和歌みくじで、天祖神社宮司で思想史の研究者でもある小林美香氏と平野多恵教授が共同研究を行ったことが契機となり、このおみくじに関わる活動には、成蹊大学文学部日本文学科の教員と学生・大学院生が協力している。現在までに22の歌占が制作された。
天祖神社の歌占には江戸時代につくられた「天岩戸開」絵馬(天祖神社蔵、板橋区登録文化財)に描かれた神々や狛狼像(御嶽神社蔵、板橋区登録文化財)のおみくじも含まれており、日本古来の信仰に基づく地域の文化財を現代的に活用する取り組みとなっている。室町時代~江戸時代に行われていた作法通り、呪歌を唱え、弓の弦に結びつけられた和歌の短冊を選ぶユニークさも相まって、多くのメディアでも取り上げられている。
今回、歌占に新しく加わるのは、天祖神社境内の御井戸の神「御井の神(みいのかみ)」。2024年12月27日(金)には、今回新たにつくった歌占を神様に奉納する「歌占奉納祭」において、披講会会長の堤公長氏により和歌の披講(和歌を読みあげてから節を付けて歌うこと)が行われる。
<歌占奉納祭>
日時:2024年12月27日(金)14時00分~14時40分
場所:天祖神社 神楽殿
参考:【成蹊大学】天祖神社×文学部日本文学科のコラボプロジェクト 吉凶のないおみくじ「天祖神社歌占」 新しい歌占の奉納祭(PDF)