東京都立大学では、分野を限定せず優秀な若手研究者を採用し、一人の独立した研究者として自由に活動できる研究環境を提供することで、大学の研究を力強く推進する「知のみやこプロジェクト」を新たに開始する。それに合わせ、募集要項を公表した。

 東京都立大学によると、本プロジェクトは、日本の研究力低下が叫ばれる昨今、やる気とチャレンジ精神に溢れた若手研究者が自身のやりたい研究に向かって突き進んでいってほしいとの想いで立ち上げた。分野を限定せず、優秀な若手研究者を任期5年(更新なし)で採用し、一人の独立した研究者として自由に活動できる研究環境を提供する。

 応募に関しては、専門分野を限定せず、人文科学、社会科学、自然科学を含む全ての若手研究者を対象とし、採用時点で博士の学位を有する者(応募時点で取得見込も含む)であれば誰でも応募可能。

 一次選考では、学長を委員長とする「知のみやこプロジェクト」選考委員会が書類審査を行い、一次選考合格者を決定。二次選考では、選考委員に一次選考合格者の専門分野に近い学内教員と学外有識者を加え、面接によってこれまでの研究業績、今後の研究の展開、次世代トップ研究者としての資質等を総合的に判断し、採用候補者を選考する。

 任期は5年間(更新なし)とし、休日、休暇、給与・手当や専門業務型裁量労働制の適用対象であること等は他の常勤教員と同様だが、業務内容を原則として研究のみとしていることが大きく異なる。ただし、本人が希望した場合には、将来のキャリアパスを考慮して、部局と調整のうえ、1コマ程度の授業・演習等を担当することも可能。

 着任後は、東京都立大学のいずれかの学部・大学院研究科・センター等に所属することになるが、研究内容に制約はなく、自分のやりたい研究を行うことができる。年間50万円程度の個人の基本研究費に加え、研究費を別途支給する予定。また、5年間のうち1年間は、海外の大学・研究所で研究活動を行うことを奨励し、渡航費、滞在費相当額を支援していく。

 大橋隆哉学長は「本プロジェクトの研究者によって、人類の叡智と輝く未来の創出につながるような成果が生まれることを期待しています」とコメントした。

<「知のみやこプロジェクト」募集概要> ※詳細は大学HP掲載の募集要項を要確認
募集職位:助教
募集人数:若干名
採用年月日:2025年5月1日以降出来るだけ早い時期
所属及び勤務地:東京都立大学
専門分野:人文科学、社会科学、自然科学を含む全ての分野
業務分野:原則、研究のみ(研究内容は自由、原則として教育業務等の負担はない)
応募資格:博士の学位を所持している者、または応募時点で取得見込みの者
応募書類:履歴書、研究業績一覧、代表的研究業績1点のPDFファイル、外部資金実績一覧、これまでの研究と今後の研究計画
提出期限:2025年2月10日(月)必着

参考:【東京都立大学】東京都立大学「知のみやこプロジェクト」の開始について

東京都立大学

学問の力で、東京から世界の未来を拓く

東京都立大学は、東京都が設置する唯一の総合大学であり、大都市に立脚した教育研究の成果をあげ、人間社会の向上・発展に寄与することを目指しています。卓越した研究者による高度かつ熱心な少人数による専門教育と、総合大学の特⾧を活かした分野横断・文理融合型教育などの自由[…]

大学ジャーナルオンライン編集部

大学ジャーナルオンライン編集部です。
大学や教育に対する知見・関心の高い編集スタッフにより記事執筆しています。