学術ジャーナル出版と情報分析を専門とするエルゼビアは、欧州連合および日本など世界15の国と地域の研究界における最新の国際ジェンダーレポート「ジェンダーの視点から見た研究者のキャリアパス※」を発表した。

 レポートによると、ほぼすべての調査対象国と地域で、2014年~2018年の男性研究者100人に対する女性研究者の数は、1999年~2003年と比較し約20人分増加し、研究に参加する男女差は全体的に縮まりつつある。しかし、論文数、論文引用数、助成金の授与者数、共同研究者数、男女格差に対する意識といった面で、依然として差が残っていることも示された。日本をみると、男性研究者100人に対する女性研究者の数は11人から18人へと大幅に増加したものの、調査対象国のうち、女性研究者の割合が最も低かった。

 論文を発表する女性著者の割合は、2014年~2018年の間、51%だったアルゼンチンを除くすべての国・研究分野で男性の数が女性の数を上回った。日本は女性の割合が最も低い15%だった。

 若手の論文著者をみると女性が多く、生活健康科学の分野、特に看護学や心理学などに最も多かったものの、日本だけは看護学や心理学においても女性よりも男性研究者の方が多かった。また、一般的に男性研究者の方が論文発表数、国際的な論文発表、助成金授与、特許申請数において女性を上回り、日本においても、男性の方が女性より論文発表率が高く、男性は女性の約1.8倍の論文を発表した。しかし、一方で、FWCI(被引用数による研究のインパクトの指標)に関しては、男女の差はあまりなかった。

※「ジェンダーの視点から見た研究者のキャリアパス」は、欧州連合および世界15の国と地域(米国、カナダ、メキシコ、アルゼンチン、ブラジル、EU28か国、ポルトガル、スペイン、英国、フランス、オランダ、イタリア、ドイツ、デンマーク、オーストラリア、日本)について、26の分野における研究への男女の参加状況、キャリアパス、ジェンダー格差に対する意識について検証。エルゼビアの Scopusデータと新しい手法に基づいた分析に加え、世界中の専門家からリサーチクエスチョン、分析手法などについての助言を受けて作成された。

参考:【エルゼビア】エルゼビアが、研究界における最新の国際ジェンダーレポートを発表 日本は女性著者の割合が対象国の中で最も低く、研究分野での男女格差は依然として存在(PDF)

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大学ジャーナルオンライン編集部

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