長崎大学は、火星と木星の間に存在する小惑星22346番に、長崎大学教育学部で29年余り教鞭を獲った勝俣隆名誉教授の名前が付いたことを発表した。
勝俣名誉教授は、長年にわたる日本神話(古事記や日本書紀)研究を通し、日本神話の解釈で、天孫降臨神話の猿田毘古神(さるたびこのかみ)が牡牛座のヒアデス星団、向かい合う天宇受売命(あめのうずめのみこと)はオリオン座、天上界の出入り口である天の八衢(あめのやちまた)は昴(プレアデス星団)に相当すると指摘するなど、日本にも星座神話が存在することを論じて、天文学界で注目された。その功績を顕彰しようと、国際的に著名な天体写真家の藤井旭氏、東亜天文学会の佐藤健氏が提案し、この小惑星22346番の発見者である箭内政之氏、渡辺和郎氏も賛成したことで、国際天文学連合IAUで正式に勝俣氏の名前が付くことが承認された。日本の国文学者の名前が小惑星に付いたのは初めてのこと。
この小惑星22346番『Katsumatatakashi』は富士山くらいの大きさ(直径約5キロメートル)で、火星と木星の間に存在。3.54年の周期で太陽の廻りを廻る。小惑星としては標準的な大きさだが、16等星程度の明るさのため、肉眼や小望遠鏡では見られない。