ヒューマニクス学位プログラムが文部科学省の2018年度卓越大学院プログラムに採択された筑波大学でキックオフシンポジウムが開かれ、国内外の第一線で活躍する教員が先進的な研究内容を紹介した。
筑波大学によると、キックオフシンポジウムには、大学関係者、入学予定者ら約100人が参加。プログラムコーディネーターを務める柳沢正史国際統合睡眠医科学研究機構機構長、プログラムオフィサーを務める平田雅之大阪大学教授があいさつしたあと、英国エディンバラ大学のイアン・チャンバース教授ら海外連携大学の教員4人と、医学医療系の野口恵美子教授ら筑波大学の教員4人がそれぞれの研究内容を紹介、参加者と意見交換した。
このほか、生命医科学領域と理・工・情報学領域の相互理解を深めるため、参加する教員、入学予定者らによるディスカッションの場も設けられた。
ヒューマニクス学位プログラムは一貫制博士課程で、生命医科学と理・工・情報学を有機的に融合し社会に還元できるリーダー人材を育成する。両研究分野の教員から完全ダブルメンターの指導を受け、また、両分野を学んだ学生がそれぞれのメンター教員に対し、異分野の内容を逆の立場で教示する(リバースメンター制)。企業人が客員教授として参加すれば、博士教育と産学共同研究を一体とできる。
近年は学際融合の需要が大きく、優れた論文の多くが生命医科学と理・工・情報学分野の研究者による共著となりつつある。ヒューマニクス学位プログラムに対する産業界の関心は高く、トヨタ自動車や日立製作所など大手企業も参加の意向を示しているという。