2025年3月14日、学校法人加計学園は、運営する千葉科学大学・同附属高等学校(千葉県銚子市)について、2026年4月に設置者を、エナジックスポーツ高等学院(沖縄県名護市)などを運営する学校法人大城学園に変更するための認可申請書を文部科学省に提出することを発表した。これにより千葉科学大学の公立化は見送りということになる。
千葉科学大学は、定員割れの恒常化で経営が悪化したとして、千葉県銚子市に対して大学の公立化を求める要請書を2023年10月に提出。銚子市は2024年4月より5回にわたって「千葉科学大学公立大学法人化検討委員会」を開き、8月に、現行の3学部6学科を2学部2学科にサイズダウンするなど公立化のための7つの条件を千葉科学大学に示していた。
設置者変更の認可申請は、①大学名称、②大学の目的、教育方針、教育目標、③学部・学科構成、④入学定員・収容定員、⑤教職員の雇用、雇用条件、⑥学納金や奨学生への対応等は変更せず、⑦附属高等学校の引受けについても大学と同じ条件として申請を行うとしている。「大学の設置者変更の認可申請」が文部科学省に予定通り提出されれば、2025年8月末に答申予定。
千葉科学大学は2004年4月開学。現在は薬学部、危機管理学部、看護学部の3学部を設置している。学部名だけでは分かりづらいが、公務員や臨床検査技師などのコメディカル、パイロット、愛玩動物看護師などを養成する学科もあり、学びの幅はかなり広くなっている。千葉科学大学附属高校は広域通信制課程・普通科の高校として2022年4月に開校。千葉科学大学本部キャンパス敷地内にある。
大城学園が運営するエナジックスポーツ高等学院は、通信制高校の卒業をサポートする学校として2021年4月沖縄県名護市に新設され、2024年4月には全日制課程と狭域通信制課程を設置する高等学校として開校している。2025年3月18日からはじまる「第97回選抜高等学校野球大会(春の甲子園)」に出場することが決まっている。
参考:
【学校法人加計学園】千葉科学大学・同附属高等学校の設置者変更について(PDF)
【千葉科学大学公立大学法人化検討委員会】千葉科学大学公立大学法人化に関する検討結果について(答申) 案(PDF)
【銚子市】「千葉科学大学の公立大学法人化に関する要望書」について(市長コメント)