相愛大学(大阪市住之江区南港中)を運営する学校法人相愛学園は理事会を開き、人間発達学部「子ども教育学科」の学生募集を2026年度から停止することを決めた。子ども教育学科では小学校と幼稚園の教諭一種免許、保育士資格が同時に取得でき、2023年度の就職決定率は100%だが、定員充足率の改善が見込めず募集停止に至った。

 相愛大学は、音楽学部と人文学部・人間発達学部の3学部を設置しており、人間発達学部には「子ども教育学科」と「管理栄養学科」の2学科がある。

 募集停止となる「子ども教育学科」は小学校と幼稚園の教諭一種免許、保育士資格の3つを同時に取得できるカリキュラムとなっており、2023年卒業生の免許・資格取得率は小学校教諭一種免許状77.5%、幼稚園教諭一種免許状85.0%、保育士資格67.5%で、57.5%が3つ同時に取得。就職決定率は100%となっている。

 しかしながら、少子化の影響等もあり、2022年度以降の入学者数が入学定員を大きく下回る事態となり、教育内容の改善や効果的な発信の工夫など事態改善を行ったものの、今後、継続した定員充足は極めて困難であるとの判断になった。

 全国的に保育士を養成する短大の募集停止が相次ぐ一方で、大学における教育学系学科の募集停止は多いとはいえない。しかし日本私立学校・振興共済事業団のデータでは、私立大学の教育学系統の定員充足率は2024年度で91.5%と定員に満たない状況が続いており、特に学部学科名に「子ども」「こども」の名称がついているところほど充足率が低い傾向が見られる。

 近年、大学の教育学系の募集停止では、東京純心大学の現代文化学部こども文化学科(東京都:2023年度より学部の募集停止)、神戸海星女子学院大学の現代人間学部心理こども学科(兵庫県:2024年度より大学全体の募集停止)、川村学園女子大学の教育学部(千葉県:2025年度より学部の募集停止)、名古屋柳城女子大学こども学部こども学科(愛知県:2026年度より大学全体の募集停止)などがあり、今回の相愛大学の人間発達学部子ども教育学科(大阪府:2026年度より学科の募集停止)は、これらに次ぐかたちとなっている。

参考:【相愛大学】子ども教育学科 令和8(2026)年度以降の学生募集停止について

大学ジャーナルオンライン編集部

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