岡山県津山市の美作大学短期大学部、三重県鈴鹿市の鈴鹿大学短期大学部が2024年度の入学生を最後に以降の学生募集を停止することになった。ともに地方の18歳人口減少や4年制大学志向の高まりで定員割れが深刻化したためで、地方私立短大の苦境がはっきり表れた格好だ。

 学校法人美作学園によると、美作大学短期大学部は1951年、美作短期大学として開設され、1978年に美作女子大学短期大学部、2003年に男女共学の美作大学短期大学部になった。岡山県北部の美作地方だけでなく、近隣の鳥取、島根両県からも学生を集め、1万3,000人以上の卒業生を輩出してきた。

 現在は定員70人の幼児教育学科、40人の栄養学科を持つが、志願者の減少が続き、2023年度の入学生は定員の53%に当たる58人に落ち込んだ。美作学園は18歳人口の減少、4年制大学志向の影響が出たとみている。

 学校法人享栄学園によると、鈴鹿大学短期大学部は1966年、鈴鹿短期大学として開校し、1998年に鈴鹿国際大学短期大学部、2006年に鈴鹿短期大学、2015年に鈴鹿大学短期大学部に名称を変更した。

 生活コミュニケーション学科に食物栄養学、こども学の両専攻を設けているが、ここ10年ほど定員割れが続き、2023年度は定員90人に対して37人しか入学生がなかった。享栄学園も18歳人口の減少、4年制大学志向から定員割れを招いたとしている。

 2025年度以降の学生募集停止は、これまで岐阜聖徳学園大学(3月24日発表、以下同)、上智大学(4月19日)、龍谷大学(5月31日)の短期大学部と、安田女子短期大学(7月7日)、城西短期大学(10月6日)と池坊短期大学(10月10日)が発表しており、鈴鹿大学、美作大学で8校を数える。このうち池坊短期大学以外は併設する大学を持つ。

 短期大学の学科は、幼児教育、健康福祉、栄養系が多く、大学の学部に改組する場合は、教育系・スポーツ健康系・環境系・農学系学部などが考えられる。

参考:【学校法人美作学園】美作大学短期大学部の学生募集停止について(2025年度以降)
【学校法人享栄学園】鈴鹿大学短期大学部の学生募集停止について

大学ジャーナルオンライン編集部

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