関東地方の私立大学に2018年春入学した下宿生への仕送り額が月額8万3,100円と、1986年度の調査開始以来、最低だったことが、東京地区私立大学教職員組合連合の調査で分かった。
調査は2018年5~7月、東京都と神奈川、埼玉、千葉、茨城、栃木の5県にある早稲田大学、明治大学など14の私立大学へ通う新入生の保護者に郵送で質問を送り、4,181人から有効回答を得た。世帯の税込収入は平均939万6,000円。
それによると、受験から入学までにかかる費用は下宿生が218万1,818円で、前年度比4,400円、自宅生が156万4,418円で前年度比1,400円のそれぞれ増加となった。下宿生が入学の年にかかる費用は296万2,918円で、前年度より2万200円減少している。
下宿生への仕送り額(4~12月)は78万1,100円と前年度を2万4,600円下回った。1カ月当たりに換算すると、8万3,100円になり、ピークだった1994年度の12万4,900円以降、一貫して減り続けている。前年度比でも3,000円の減少となった。
仕送りのうち、家賃に充てる額が増え続けており、下宿生が生活費に充てることができる金額は月当たりの単純計算で2万3,000円ほど。アルバイトなしでは学生生活を送れない厳しい実態が浮き彫りになった。
下宿生世帯の税込収入に占める入学の年に必要な費用の割合は31.9%に達し、負担の大きさが際立っている。900万を超す税込収入は国内平均より高いが、それでも負担が限界に近づいていることになる。