経済産業省と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、生成AI(人工知能)のさらなる開発促進が必要な領域の課題を設定し、懸賞金を供するコンテスト「GENIAC-PRIZE」を立ち上げた。企業(団体等を含む)、大学等を対象に民・官・安全性の3領域(4テーマ)に焦点をあてて成果を広く募集し、各テーマの上位3者に最大総額約8億円の懸賞金を交付する。
経産省は国内の生成AI開発力の底上げを目指し2023年度に「GENIAC(Generative AI Accelerator Challenge)プロジェクト」を開始。計算資源の提供支援、データ・生成AIの利活用に向けた実証の支援、マッチングイベントなどの開催やグローバルテック企業との連携支援などを行っている。
諸外国では、政府や財団が研究開発の目標を掲げてコンテスト形式で競わせ、開発期間を終えた段階などで、目標水準以上の成果を上げた者のうち上位数者に対して懸賞金を支払う仕組みを採用している。生成AIの開発競争が世界的に激しさを増すなかで、「GENIAC-PRIZE」により懸賞金などのインセンティブを提供することで、飛躍的・革新的な研究開発成果の創出を狙う。
NEDOによると、募集テーマは民の領域として「製造業における暗黙知の形式知化」「カスタマーサポートの生産性向上」(懸賞金総額3.5億円)、官の領域から「官公庁における審査業務の効率化」(同2.1億円)、安全性の領域から「安全性向上に資する技術開発」(同2.2億円)の4つ。
応募者は12月まで開発と実証を進め、2026年1~3月に審査。3月末に表彰式を行い、成果普及イベントを実施する。領域によってはトライアル審査の上位通過者への賞金や審査員特別賞を授与する場合もある。応募説明会は2025年5月26日(月)9時30分~11時30分、オンラインで実施する。後日視聴も可能。