深谷市は2025年4月より、コミュニティバス「くるリン」の『北部シャトル便+周遊便』ルートにおいて、埼玉工業大学が新たに開発した自動運転バスの運行を開始した。この自動運転バスは、JR深谷駅北口を起終点とした全長約37kmのコースで、一般公道を営業運行する自動運転バスとしては国内最長レベルの長距離運行を実現している。

 渋沢栄一翁の生誕地周辺を周遊する『北部シャトル便+周遊便』ルートの自動運転走行は4月12日から始まり、県内初となる定時定路線における自動運転バスの導入となった。運行は深谷観光バス株式会社が担当し、実施日や走行区間を限定して段階的に自動運転区間を拡大、路線全区間での自動運転(自動運転レベル2)を達成した。自動運転レベル2とは、ドライバーが主体となって操縦しつつ、システムが前後および左右の車両の動きを捉えて制御を行い、車線維持や前車追従など高度な運転支援を実現するものである。

 使用されている車両は全長9mの最新型自動運転バスで、深谷自動運転実装コンソーシアムの協力により実現した。このコンソーシアムは、深谷市、埼玉工業大学、A-Drive株式会社、アイサンテクノロジー株式会社、損害保険ジャパン株式会社、KDDI株式会社、株式会社ティアフォー、深谷観光バス株式会社で構成され、地域公共交通への自動運転技術の導入と社会実装を目的に連携している。

 自動運転バスの運行スケジュールは深谷市ホームページ等で公開されているが、7月13日(日)、7月26日(土)、8月9日(土)、8月23日(土)は埼玉工業大学のイベント開催のため自動運転の運行予定がない。また、7月から9月の週末は大学イベント等の都合で運行を実施しない場合がある。

 今後、埼玉工業大学は深谷市と連携し、県内初のコミュニティバスにおける自動運転レベル4の実現を目指して開発を進めていく。自動運転レベル4は、システムが主体となり、場所や天候、速度など特定条件下で完全自動運転を行うもので、運転者の操作を必要としない。深谷市と大学、協定各社は、地域の公共交通における自動運転技術の発展と社会実装に引き続き取り組んでいく。

参考:【埼玉工業大学】本学がサポートする深谷市コミュニティバスが全線37kmの自動運転運行を実現

埼玉工業大学

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