ふくらはぎの太さと筋肉量に正の相関関係があり、ふくらはぎが細くなると筋肉量が減少していることが、明治安田厚生事業団体力医学研究所の川上諒子研究員と早稲田大学スポーツ科学学術院の谷澤薫平准教授らの研究で分かった。ふくらはぎの太さと筋肉量の関係を調べた研究は世界初。
早稲田大学によると、研究グループは2015年3月から2024年9月、早稲田大学卒業生とその配偶者を対象とする健康づくり研究に参加した40~87歳の男女227人を対象に、両ふくらはぎの太さを計測するとともに、専用機器で両腕脚の筋肉量を測定、ふくらはぎの太さと筋肉量の関係を調べた。
その結果、ふくらはぎが細くなった参加者は有意に筋肉量が減少する傾向があることが分かった。年齢や肥満状況などが異なっても、その傾向に変化がなかった。ふくらはぎの太さの変化は腕の筋肉より足の筋肉により強い関係が見られた。実際、ふくらはぎ周囲径が1cm減少すると、男性では1.4kg、女性では0.9kgの四肢筋量減少に相当するという具体的なデータも得られている。
筋肉量は若年期をピークに減少し、高齢期に減少が加速する。著しく筋肉量が減ると歩く速度が低下したり、転倒しやすくなったりするが、専用機器がないと自分の筋肉量を把握できなかった。ふくらはぎの太さを計測することで筋肉量の変化を把握することができ、筋肉トレーニングなどで状態を改善することが可能になる。