筑紫女学園大学(福岡県太宰府市)では、女性の社会活動のさらなる多様化と高度化を踏まえ、学園創立120周年を迎える2027年度に、文学部・人間科学部・現代社会学部の3学部5学科体制を人文科学部(仮称)の1学部3学科体制に再編し、新たにスタートさせる(設置構想中)。また、入学定員を現在の500名から300名へ縮小する。
新設予定の人文科学部(仮称)では「ソフトサイエンス」という筑紫女学園大学オリジナルの学問分野を導入する。ソフトサイエンスは、人に寄り添うテクノロジーや情報の活用を意味し、アプリやAIなどの技術を難しい知識としてではなく「人のためのやさしい使い方」を考えながら、社会課題の解決へと結びつけるというもの。
学科は「人文科学科」「心理学科」「教育・社会福祉学科」の3つを設ける。人文学科(定員80名)では、日本やアジア、英語圏の言語や文化を学び、多様性を理解しながら、コミュニケーション力と問題解決力を養う。心理学科(定員110名)では人の心理や社会を理解し、ICTやAIも活用して人に寄り添い支える力を育て、多様な人が安心して暮らせる社会づくりに貢献できる力を養う。教育・社会福祉学科(定員110名)では、初等教育保育専攻と社会福祉専攻を設け、子どもや困難を抱える人々を支えるための知識と技術を学び、教育・保育・福祉の専門職を育てる。
これらの学科では、これまでの学びも大切にしながら、各学科をソフトサイエンスという共通項で結び、それぞれの学びのクロスオーバーを実現する。なお、学部学科名はすべて仮称。設置計画は予定であり内容は変更になる可能性がある。
全国で見ると、18歳人口は2027年度入試を対象とする学年以降減り続けるが、福岡県は東京都や沖縄県に次いで減少率が低い。筑紫女学園大学では2025年度は入学定員500名に対して4月入学者が410名となっているが、2027年度では入学定員を300名に絞る決断をした。