千葉大学は2020年4月の入学生から学部学生、大学院生とも授業料を年間10万円余り引き上げ、64万2,960円とすることを明らかにした。2020年度以降の全入学生に最大2か月程度の海外留学を義務づける予定で、留学支援の費用に充てる。
千葉大学によると、現行の授業料53万5,800円(学部、修士・博士前期課程学生)は文部科学省が省令で定めた標準額に当たるが、新授業料は省令の上限額になる。国立大学は2004年の法人化以降、授業料据え置きが続いていた。標準額を上回る値上げをするのは、東京工業大学、東京芸術大学に次いで3校目。千葉大学の授業料値上げは15年ぶりになる。
授業料引き上げによる増収額は2020年度で3億9,000万円、2025年度で13億6,000万円に上る見込み。学生の留学費用の一部に充てるほか、英語でのプレゼンテーション、討論を学ぶカリキュラムの強化、留学先で千葉大学の単位を取得できるスマートラーニングシステムの導入にも使う。
千葉大学は値上げの理由として経費節減や自主財源の捻出に努めてきたが、それだけでは必要な財源を確保できなくなったことを挙げた。低所得世帯の学生に対しては授業料減免、留学奨学金の給付、大学独自の奨学金制度などで支援を検討する。
千葉大学は国際教養学部で成果を上げているグローバル人材育成戦略を拡大し、全学部、大学院に適用する「千葉大学グローバル人材育成ENGINE」を策定、学部学生、大学院生全員の海外留学を打ち出している。