2019年10月11日、公益社団法人ガールスカウト日本連盟は、女子高校生が感じるジェンダーバイアスについて調査報告書をリリースした。

 ガールスカウト日本連盟では、少女たちがジェンダーの固定観念に基づいた情報をどんな機会にどのように体験し、教育現場でどう影響を受けているのかを明確にするため、全国の15~19歳の女子高生を対象に調査を行った。(2019年3月23日~4月21日実施、524人回答)。この調査をもとに、10月11日の国際ガールズ・デーに合わせ、『「ジェンダー」に関する女子高校生調査報告書2019』をリリースした。

 報告書の中の「進学とジェンダーバイアス」の項目では、女子の「4年制大学進学率」と「理数系専攻」について調査。「女の子は4年制大学に行かなくてよい」と言われたことがあるか聞くと、90%が「言われたことはない」と回答、また、「女の子は数学や理科ができなくてよい」と言われたことがあるか聞くと93%が「言われたことはない」と回答した。

 一方で、文部科学省の「学校基本調査」では、女子の4年制大学の進学率は50.7%と、男性に比べ6.8ポイント低く、学部別の女子学生数の割合は理学28%、工学15%と低い結果が報告されている。このように実生活の経験と社会の現状に差がある理由をどう考えるのか聞くと、「短大に行くのは女性というイメージ」「短大の学科は福祉系で女子が多いからそう思うのかもしれない」「古風な考えが根付いていたり、ステレオタイプがあったり」「結婚や出産などを考えてなるべく早く働きたいのかも」「数学や理科の先生はほとんど男性のイメージ」「理数系は男性の学問だというステレオタイプがある」「実際に理数系を専攻して働いている女性の仕事内容がわかりにくい」などの意見が挙げられた。

 また、4年制大学進学や理数系専攻について”女性だから”と否定的なことを言われることは少なかったが、中には「学校の先生」や「父母」、「祖父母」から「言われた」と答えた女子高生もみられた。

 国際ガールズ・デーは、2011年に国連で採択され、2012年から少女の人権を守り、教育とエンパワメントを推進することを目指して始まった。世界の少女たちが置かれている状況を認識し、彼女たちが幸せな人生を送ることができるように、彼女たち自身が力をつけ、また彼女たちが直面する課題を解決するための行動の必要性を認識する日となっている。

参考:【ガールスカウト日本連盟】10月11日 国際ガールズ・デーによせて -少女が直面する課題を解決するためのガールスカウトの取り組み-

大学ジャーナルオンライン編集部

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