文部科学省は2019年度の国際共同利用・共同研究拠点に立命館大学アート・リサーチセンター(京都市北区)を選んだ。浮世絵など日本文化や芸術のデジタル・アーカイブでは国内最大の研究拠点で、国際共同研究の窓口となり、新たな共同研究を推進することが期待されている。
文科省によると、同センターは研究者約30人が所属し、日本をはじめとするアジア各国の文化遺産、文化財のデジタル・アーカイブ化を進めるとともに、日本語の崩し字解読支援システムや古地図整形機能など最新技術を活用した研究支援ツールを開発している。
今後、機能強化により、世界の中の日本を意識し、海外で活躍できる日本人若手研究者を育成するほか、海外の研究者との共同研究を推進する考えを持っている。
国際共同利用・共同研究拠点は国内の中核的な研究拠点で、世界水準の研究を推進し、国際的な連携や協力の窓口の役割を果たしている拠点もある。しかし、日本発、国際共著の論文数が大幅に低下し、日本の研究力低下が問題になってきたことから、文科省は拠点を重点支援することにより、拠点で研究する部門の国際的な地位向上を目指している。
国際共同利用・共同研究拠点には2018年度、東京大学宇宙線研究所、京都大学化学研究所など国立大学4校の6研究所が選定されている。
参考:【文部科学省】令和元年度(2019年度)からの国際共同利用・共同研究拠点の認定について(公立大学、私立大学)>立命館大学アート・リサーチセンター(日本文化資源デジタル・アーカイブ国際共同研究拠点)