鹿屋体育大学とソフトバンクは鹿児島県徳之島町の徳之島高校野球部に対し、ICT技術を活用して遠隔指導する実証実験を17日から始める。離島の部活動を遠隔指導するのは国内で初めてで、2020年3月末までの実験期間中、鹿屋体育大学の野球部員が臨時コーチを務める。
鹿屋体育大学によると、離島では地理的な制約から生徒が受けられる教育の質や運動環境が限られるが、奄美群島に所属する徳之島高校でも専門のスポーツ指導者とスポーツ教材が限定されるという悩みを抱えている。
そこで、鹿屋体育大学はソフトバンクが貸与するタブレットと全国の部活動支援に使っている「スマートコーチ」を活用、野球部員がコーチ役となってコメントをつけた動画を送付するなどして徳之島高校野球部を遠隔指導する。
徳之島高校野球部にとって顧問の教員の負担を軽減できるほか、専門的な指導を受けられるメリットがある。将来、スポーツ指導者や専門家を目指す鹿屋体育大学の野球部員には、遠隔でのコーチ技術を学ぶ良い機会になる。
鹿屋体育大学とソフトバンクは今回の実証実験を通じ、離島を対象にしてもスマートコーチを通じた質の高い運動指導ができることを検証したうえで、今後徳之島の中学校や鹿児島県内の他の離島でも活用を検討する計画だ。