北海道教育大学岩見沢校の森田憲輝教授らの研究グループが中学生の体格変化と学業成績の長期的な関連について調べたところ、低体重の子どもの体重増加、肥満による過体重の子どもの体重減少と学業成績の向上に関連があることが分かった。
北海道教育大学によると、研究グループは中学生197人を1年生から3年生まで追跡調査し、体格と国語、社会、数学、理科、英語の5教科の成績の変化を分析した。体格以外で学業成績に影響を及ぼす世帯収入、両親の学歴、放課後の勉強時間などは、統計学の手法で取り除いている。
その結果、低体重の子どもが体重を増やすのにつれ、学業成績が向上していた。同様に、過体重の子どもも体重が減ると、学業成績に良い影響が出ていることが明らかになった。体重と学業成績の関連は男子、女子生徒の両方に見られ、5教科すべてに当てはまっている。研究グループは生活習慣の改善で適正体重に近づくのに伴い、学業成績が好転する可能性を示した結果とみている。
日本をはじめとするアジア地域では、過体重だけでなく、低体重の子どもが多いのが特徴。これまで欧米諸国の研究で過体重が学業成績に悪い影響を及ぼすことが分かっていたが、低体重と学業成績の関係は調べられていなかった。