岡山大学の松本正和准教授らはコンピュータシミュレーションによって、過冷却された水の微細構造を世界で初めて解明しました。この状態で水分子はどのようになっているのかは長年の謎とされていましたが、解明に大きく近づいたことになります。
グループはコンピュータシミュレーションを用いて過冷却水の中で分子がどのような状態になっているのかを解析しました。その結果いくつかの分子が集合して塊を形成することで密度を低下させ、塊が自由に運動することで液体としての流動性を保った状態になっていることを突き止めました。これはシミュレーション上の結果なので、実験によってこうした水分子の塊が実際に観測されることが待ち望まれています。
水はその性質がよく分っているかと思いきや、異常ともいえる多くの性質を持ち意外にも分らないことだらけの物質です。水を利用して生きてきた生命は水の異常性を利用して生きてきました。未解明の生命の神秘には水の謎に由来する物も多いかもしれません。水の理解は生命の理解にもつながることでしょう。