ゼミや研究室での学習は有用だが、外国語教育や統計数理の知識・技能はあまり役に立たない-。文部科学省が全国の大学生を対象に大規模なアンケート調査を実施したところ、こんな結果が出た。

 この「全国学生調査」は、学生目線から大学教育や学びの実態を把握し、大学の教育改善や国の政策立案など、大学・国の双方において様々な用途に活用しようとするもの。初回となる令和元年度は試行という位置付けで実施した。調査は国立教育政策研究所と共同で全国515大学に所属する学部学生約41万人を対象にインターネットを通じて実施し、うち約11万人から回答を得た。

 それによると、大学の授業では授業内容の意義説明や小テスト、レポートなどの課題は「よくあった」、「ある程度あった」という回答が8割以上あったが、英語で行われる授業は33%、適切なコメントをつけて提出物が返却されるのは43%しか「あった」と回答しなかった。

 大学に入って有用だった経験としては、研究室やゼミでの少人数教育が69%、図書館などを利用した学習が73%と高かった一方、3カ月以上の海外留学は89%、5日以上のインターンシップは70%が経験していなかった。

 大学教育で役に立っていることでは、専門分野に関する知識が87%、将来の仕事に関連しうる知識が80%と高かったものの、外国語教育は30%、統計数理の知識・技能は45%にとどまった。

 授業期間中の平均的な1週間の生活時間では、授業出席は16時間以上が49%、部活動やサークル活動はゼロが56%、アルバイトは11時間以上が49%、スマートフォンの使用は11時間以上が48%を占めている。

参考:【文部科学省】令和元年度「全国学生調査(試行実施)」の結果について(PDF)

大学ジャーナルオンライン編集部

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