筑波大学は附属大塚特別支援学校の体育館回収に伴い、カメラやウェアラブル機器で子供たちの動きを計測し、それらに合わせて床面や遊具などにプロジェクションマッピングを行うための設備を整備しました。この「ミライの体育館™」によって発達障害のある子どもたちの社会性を育み、自己表現をする力を養うことを目指し、情報工学・発達心理学・医学を融合させた学際研究を行っていきます。
近年、世界中で障害の有無に関わらず共に学ぶ仕組みの実現を目指した活動が行われています。誰もが相互に人格を尊重し合う全員参加型の社会の実現に向けて、障害をもつ子どもが能力を可能な限り発達させることを目指すインクルーシブル教育もその一つです。カメラやウェアラブル端末といった最先端のセンシング技術を備えた「ミライの体育館™」は、創造的な活動を促進する環境としての体育館を目指しています。子どもたちの社会的行動を計測し、複合現実感技術によって個々の生徒に情報提示をすることで発達障害のある子どもたちの社会性形成を支援し、創造的活動を促進する研究を行っていくとしています。
プロジェクトでは今後約5年間をかけて、未来の子どもたちのための情報環境を構築しながら、ICTを利用した教育研究上の拠点として活動していくとしています。効果が実証されれば全国の特別支援学校にも同様の取り組みが広がっていく事でしょう。また、発達障害のある子ども以外にも様々な教育効果が示されれば、将来的には各地の学校にも配備されることにもなるかもしれません。