日本医療研究開発機構は、国内の製薬会社と研究所が協力してがん、糖尿病などの新薬開発を進める産学連携組織「産学協働スクリーニングコンソーシアム」をスタートさせました。新組織は2016年から国内製薬会社が提供する化合物を使い、新薬創出に向けた研究に入ります。

 日本医療研究開発機構によると、新組織には武田薬品工業、大塚製薬、第一三共など22の会員製薬会社が約20万の化合物を提供。日本医療研究開発機構の創薬支援ネットワークで生み出された創薬対象の実用化に向け、製薬会社が提出した化合物を調査します。その結果は会員製薬会社にフィードバックされる予定です。

 調査には、産学が一体となったチームを編成して当たり、日本医療研究開発機構が製薬会社と研究所の間を仲立ちします。さらに、国内最高技術を持つ大学や研究所が遺伝子、タンパク質の解析をし、調査を後押しします。
新組織のスタートで研究者は一度に複数の製薬会社の化合物にアクセスでき、研究実用化の可能性が高まると期待されています。一方、会員製薬会社は新しい創薬対象にアクセスする機会が増え、自社が持つ化合物の潜在的価値を高めることができそうです。

 現在、編成されたチームが調査の準備を進めており、年明けから順次、稼働していくことになっています。

大学ジャーナルオンライン編集部

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