昆虫食専門企業の合同会社TAKEOと弘前大学農学生命科学部の管原亮平助教はトノサマバッタの食用利用で共同研究を始めた。今後、トノサマバッタ食品の需要掘り起こしとともに、加工食品の開発に取り組む。
合同会社TAKEOによると、共同研究では、管原助教が飼育条件の最適化、専用乾燥飼料の開発などトノサマバッタの生産技術開発、合同会社TAKEOがその実証実験と需要開発を受け持つ。
世界の昆虫食の主流はコオロギ。雑食性で飼料を調達しやすく、生育が早いうえ、食用昆虫としての市場が形成されていることから、養殖昆虫として人気が高まっている。
これに対し、トノサマバッタは栄養価が低いイネ科の植物や牧草だけで育ち、繁殖のしやすさもコオロギとほぼ同等とされる。養殖で生じる環境負荷はコオロギを下回り、今後の研究で飼育に乾燥飼料が使用できれば、養殖にかかわる労力が大幅に軽減できる。
合同会社TAKEOはトノサマバッタを素揚げにすると川エビに似たサクサクとした食感になることから、おつまみに利用可能とみている。さらに、牧草のさわやかな香りと強いうまみを持つことに注目し、キャラメルやクッキーに応用することを検討している。
コオロギがすぐれた食用昆虫であることに疑いの余地はないが、トノサマバッタという別の選択肢を提供することで昆虫食の可能性がさらに広がるとも期待している。